政務が最優先だ、もう怪談話は止めて仕事に戻って頂かなければ。

「主上、もう政務に戻る時間ですよ。このお話はまた後にして下さい」
「今いい所なんだから、もうちょっといいじゃないか」
 当然陽子は不満を漏らすが、景麒は気にした風もなく続ける。

「いけません。何事にも節度というものが必要なのです。確かに息抜きも必要ですが、それにも限度があります。そもそも王たる者は……」
 延々と小言が始まり、陽子の顔は更に険しく、不機嫌そうなものとなっていった。説教を言う時間があるのなら最後まで話してやればいいものを、生憎景麒はそこまで気が回らず、融通も利かない。
 一触即発かと思いきや、陽子は軽く息をつくと答えた。

「分かった」
 あまりにあっさり言われたので、景麒も拍子抜けしたように一瞬間の抜けた顔になる。
「また時間がある時でいいよ」

 主を見送りながら、景麒はもっと何か他に言いようが無かっただろうか、と軽い後悔の念を抱いていた。いつも国の為に心を砕き、滅多に我侭など仰らないのに。景麒は自分自身に向けて深い溜息をついた。



途中までは良かったのですがv
一目瞭然なので分かるとは思いますが、一応一番いいルートが他に存在します。

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